日本では取引先への請求金額(売掛金)や従業員などへの給料の支払いは、銀行口座を通して行われることがほとんどです。飲食店など店舗の場合、お客様から現金での支払いもありますが、クレジットカード決済の場合、売上金はクレジットカード会社からあなたの指定する銀行口座に振り込まれます。また、水道光熱費や電話代の銀行からの自動引き落としが可能です。
制度融資や公庫融資を申し込む場合、相手方は必ず銀行の通帳を見せてほしいと言ってきますので、普段から口座への入出金で管理していると、融資を受ける際にも融資の申請先に説明しやすくなります。ただ、最初にどこの銀行で口座開設すべきか迷う人も多いと思います。ここではその銀行選びについて触れていきたいと思います。
目次
具体的に銀行はどこを選べばよいか?
銀行を大きく5種類に分けてそれぞれの特徴を説明いたします。
・都市銀行
・地方銀行
・信用金庫、信用組合
・ゆうちょ銀行
・ネット銀行
■都市銀行 – 大手企業や全国区でビジネスを展開予定の企業向け
都市銀行というのは、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行等の全国規模で展開している銀行のことを指します。これらの銀行は日本全国の顧客や海外の会社への振込を行う企業の方におすすめです。但し、メリットもあればデメリットもあります。下記の記事で詳細に説明していますので、是非ご参考にしてください。
都市銀行(メガバンク)と上手に付き合う3つのポイントと3つのメリットと3つのデメリットとは?
尚、最近は法人設立間もない企業の場合、なかなか口座開設をさせてもらえない場合も多いので、創業間もない場合は、後述する信用金庫や信用組合等での口座開設をすることをお勧めします。
■地方銀行 – ローカルエリアでNo1を目指すような地域密着の企業向け
地方銀行は、横浜銀行や千葉銀行、静岡銀行などのように、各地方都市に営業基盤があり、都市銀行よりも地域密着型で地元企業に融資などを行っている銀行です。地方銀行にもそれぞれメリットとデメリットがあります。下記の記事に詳細に説明していますので、是非ご参考にしてください。
地方銀行と上手に付き合う3つのポイントと3つのメリットと3つのデメリットとは?
■信用金庫・信用組合 – 地方銀行よりもさらに地域密着の企業や個人事業主向け
信用金庫や信用組合は、営業区域内の中小企業や個人が会員となり、地域の繁栄を図るために相互扶助を目的としている非営利の金融機関です。尚、信用金庫と信用組合の違いは以下の通りです。
・信用金庫 誰でも預金できる
・信用組合 組合員しか預金できない = 信用金庫よりも相互扶助の精神を意識した地域密着の金融機関
尚、信用金庫や信用組合にもメリットとデメリットがありますので、下記の記事を参考にしてみてください。
信用金庫・信用組合で融資を利用する3つのポイントと3つのメリットと3つのデメリットとは?
■お近くの信用金庫・信用組合を検索
お近くの信用金庫・信用組合を見つけるには下記サイトが便利です。
■ゆうちょ銀行 – 小口の取引先が全国区にあるような企業向け
ゆうちょ銀行は郵便局の民営化に伴って設立された金融機関で、支店は全国にあります。尚、現在はスルガ銀行のローンを媒介する程度なので、融資相談先としては不向きです。但し、日本全国に支店があるというのが最大の強みなので、オンライン販売等で全国に小口のお客様や取引先がいる場合、売上金の振込先として利用すると良いでしょう。同時に、ネット銀行での口座開設もおすすめです。
■お近くのゆうちょ銀行(店舗)を検索
お近くのネット銀行は下記ページから検索できます。
■ネット銀行 – ネットショップを運営する企業向け
ネット銀行は主に、ジャパンネット銀行、住信SBIネット銀行、ソニー銀行、楽天銀行など原則的に店舗を持たずに、インターネットだけで取引ができる銀行を指します。ネット銀行同士の場合、多くの場合振込手数料が格安ですので、是非口座開設することをお勧めします。ただし、融資に関しては手数料が高めで、その点がデメリットとなります。
創業時の銀行選びのポイントは?
POINT・銀行には、都市銀行、地方銀行、信用金庫・信用組合、ゆうちょ銀行、ネット銀行など、さまざまな種類がある
・創業間もない頃は信用金庫や信用組合、ネット銀行や信用金庫。信用組合で口座開設を行い、融資は信用金庫や信用組合で相談してみる。
・業績が安定してある程度の売上規模(月商数百万円~)になってきたら、都市銀行や地方銀行にも口座開設を申し込んでみる。