倒産した会社で仕事をしていた方々のお話を伺いました。
某遊技場の閉店
地域に1店舗しかない遊技場で、清掃員として働いていました。元々就業ルールが曖昧で、アルバイト管理をアルバイトがするような適当な感じでした。
そのためか、接客のスタッフの方は入れ替わりが激しくて、倒産2年前ぐらいからは、求人を出しても誰も来てくれない状態になりつつありました。
異変を感じたのは倒産の1年前ぐらいでしょうか、それまでの店長さんが退職をしました。
その後は当然新しい店長さんが来ると思っていたのですが、来たのはやたら張り切ってる若い人でした(意識高そうなエリートな感じ)。
その方の肩書きは店長ではなく、XXマネージャーという感じでもなく、単に店舗の責任者という感じでした。
その方が来られてからは、少しだけ就業ルールが厳しくなり、10年近くやってなかった外部業者を呼んでの清掃や、店舗サービスの刷新などが行われていきました。
しかし、一番の問題である働いてくれる人がおらず、基本的に社員2、アルバイト3ぐらいで回すオペレーションでしたが、現実は社員1だけということも普通でした。ハローワークには求人を出し続けていましたが、1年で応募者ゼロのような状態でした。
その後半年ぐらいで、先ほどの店舗責任者の方もいつのまにかいなくなっていて、幹部不在のまま20代の主任の方がほぼ一人で店を回していましたが、3ヶ月程度で倒産してしまいました。(店舗の閉鎖告知は2週間前)
その過程で社長や経営幹部の人を見かけたり、なんらかの言葉があったことも皆無でした。
従業員(その時点でアルバイトは清掃員5名だけ)に対する解雇通知も特にはなくて、店舗閉鎖のお知らせで知ったぐらいです。
最後の給与の振込みはあったので、それだけが救いだったのかもしれません。
最後まで一生懸命だった社長
私の知り合いが2月に倒産した会社に勤めていました。
会社自体は大きくなく、田舎にある地域密着の会社で知人はそこで就業を行っていました。
そこの会社は家族経営を行っている会社で倒産前は非常に社員と社長の距離が近く、非常にアットホームな印象がありました。
私自身も数回社長と食事をさせて頂きましたが、非常に熱い方で社員の事を第一に考えてくれる人でした。
経営自体以前からうまく行っていなかったようで社員の給与を減らすことはせず、社長ご自身や奥様の給与を減給してやりくりをしていたみたいです。
倒産するかもしれないと社員に通達したのは半年ぐらい前で、社長自身非常に残念で社員のみんなに申し訳ないと涙ながらに朝礼でお話をされたみたいです。
社長の御意向もあり早期退職者を募りましたがみな、社長のことを非常に信頼し、助けてあげたいということで早期退職者は居なかったようです。
「私の知人のお客様に迷惑をかけては社長の名前に泥が付くということで最後までしっかりとさせてください。」
と申し出たそうです。
社長は給与を出せるかわからないから違うところを紹介しようかとまで言ってくれたみたいですが、
「高校を卒業してずっと就業していた職場なので最後までやらせてください。」
と言って、倒産するまで就業を行いました。
職員は10名程だったみたいですが、全員に次の職場を紹介し、再就職先を社長自ら他の会社に頭をさげ見つけてくれたみたいで感動しておりました。