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バス会社の資金繰りが改善できたケース

バス会社を経営されているS社長の資金繰りについて体験を伺いました。

同業で資金繰りに悩んでいる方は参考にしてみてください。

ファクタリング会社と交渉次第で毎月の手数料率を変えてもらえました

当社は格安高速バスや修学旅行などの貸し切りバスを15台の観光バスで営業しています。

東京大阪間の夜行バスなら4,000円×40席で160,000円になりますが、満席の状態での利益なので、空席が増えれば増えるだけこの利益も減っていきます。

さらに、燃料費・高速料金・人件費・旅行代理店マージンなど、必要経費を差し引くと1回の運行で残るのは満席でも2~3万円ですし、最悪の場合、マイナスになってしまう事もあります。

また他にも、バスの車両ローン・メンテナンスコスト・車検・保険料などもあり、赤字を作らないようにするだけで手一杯です。

このように、バス会社同士の価格競争や旅行代理店のピンハネの影響で、会社の利益となる金額はごくわずかであるため、業界内のほとんどのバス会社が薄利多売の経営を行っている状況です。

そのような状況の中、長野県軽井沢町で多くの死傷者を出したバスの転落事故が発生しました。

この事故は全国的にも報道され、多くのバス会社に国交省から監査が入りました。

当社も例外ではなく、勤務時間・消耗品交換・健康診断の実施などいくつかの項目の指摘を受けました。

そのどれもが安全運行を行うためにはかかせないものであることは理解しています。

しかし、そういったことを行うためには費用がかかります。

当時、燃料高騰やドライバーの負荷軽減のための人員補填による人件費増加など影響もあり、本当にどうしようもない状況でした。

さらに、例の事故の影響により、審査部が難色を示したということで、頼みの綱だったメインバンクにも融資を打ち切られてしまいました。

もう打つ手が無くて困り果てていましたが、そんな時にファクタリングの仕組みを知り、なんとかしたいという一心で利用を決めました。

当社のような業界では単月での回復は難しいと判断し、最初から3ヶ月でキャッシュフローを回復させる計画を立てました。

そこで、ファクタリング会社とも、単月ではなく、3ヶ月利用を前提に交渉を進めたところ、「初月15%、2ヶ月目10%、3カ月目8%」という条件で承諾いただいました。

融資に比べれば膨大な手数料であることは間違いありません。

しかし、複数ヶ月の利用の可能性が高いのであれば、現実的な計画を立て、最初からその方向で話を進めるなど、資金調達のコストを下げられる手段はあるので、いろいろと工夫してみるといいかもしれません。

POINTしっかりした今後の事業計画を提示できれば交渉次第でファクタリング手数料は下げられる!

バス業界は体制改善の兆しも

例の事故以降、行政からの締め付けが厳しくなったことは確かですが、それと同時に以前のような運賃値引き競争が落ち着いてきている面もあります。

お客様の運賃は運行コストに影響してくるため、ある程度の運賃は「安全な運行」には必要であるという風潮ができ始めていることも感じています。

けっして、それに便乗して余分に値上げをするつもりはありませんが、せめて、安定した経営ができるように見直しを求める声に対する関心は高くなっています。

弊社には10年を超える社歴の車体も多いため、近いうちに大規模な入れ替えを行う必要があります。

しかし、現状の経営状態ではいつ問題が起きて破綻してしまうかという状態です。

当社だけでなく、同業者とも協力して一致団結することで、業界内の体質改善に努めていきたいと考えています。

以上、バス会社の資金繰りが改善できたケース…でした。

様々な業界のファクタリング成功事例がありますので、是非チェックしてみてください。

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鈴木康支税理士事務所所長
学習院大学卒博士(サンフランシスコ州立大学)孔子経営賞 受賞(26年度)
各種講演・セミナー多数

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