プロパー融資と信用保証協会保証付融資の使い分け方ってどうするの?
経営者が資金調達を行う場合、最初に考えるのがメインバンク等から直接融資を受ける「プロパー融資」と信用保証協会が保証人になる「信用保証協会付融資」の2種類だと思います。この2つをうまく使い分け方がを知っておきましょう。
尚、プロパー融資や信用保証協会保証付融資を受けられるならば、基本的にはノンバンク保証付融資を受ける必要はありません。但し、調達できる資金上限に達してしまう場合等は、借入枠を補完するためにノンバンク保証付融資も検討しましょう。
融資の上限枠について
プロパー融資と信用保証協会保証付融資は上限枠の有無と審査の厳しさの違いがあります。
融資上限枠の有無
プロパー融資には上限枠というものは設定されておりませんが、信用保証協会保証付融資の上限枠は無担保の場合8000万円まで、担保提供が可能な場合は28000万円までとなっています。尚、信用保証協会保証付融資では、セーフティネット保証や経営改革計画による別枠を確保できることもあります。また、信用保証協会では運転資金の目安として月商の3か月分としています。設備資金の融資に関しては別となります。
信用保証協会の場合も、銀行同様に審査があります。万が一、企業が返済できなくなった場合に、銀行へ代わりに返済するのが信用保証協会だからです。その後、信用保証協会は、連帯保証している企業の代表者に返済請求をすることとなります。
順調に成長していく企業の場合、事業が成長するととともに、より多くの資金が必要になるステージが来ますので、早く信用保証協会保証付融資から銀行が直接融資するプロパー融資が実行されるくらいの規模(メガバンクの場合、大体年商10億円程度)に成長させたいものです。
審査の厳しさの違い
信用保証協会の方が、銀行よりも融資の審査は通りやすいです。なぜなら、信用保証協会は保証人として企業が銀行から資金を調達しやすくするために存在しているからです。
尚、信用保証協会保証付融資の審査とは別に銀行側でも融資審査は行われます。但し、万が一企業が返済できず貸し倒れになった場合でも、銀行負担は2割や制度によっては0割なので、信用保証協会の融資審査が通れば銀行側の融資も通りやすいでしょう。
尚、信用保証協会の融資枠とプロパー融資枠は別と考えて、もしプロパー融資枠で資金調達ができるならば、将来、企業側の業績が悪くなった際に、銀行のプロパー融資ができないようなときのためにも資金調達先として、信用保証協会の融資枠は取っておいた方がよいでしょう。
また、信用保証協会も銀行もそうですが、申請する際の融資希望額の満額が融資されることはありません。もし1000万円を融資で資金調達したいならば、申請書には融資希望額として1300万円~1500万円程度と記載するべきでしょう。