リスケ交渉は資金繰り改善のための「資金の出」すなわち出血を減らすための対応策です。銀行とのリスケ交渉は社長自らしかできません。絶対に他の社員や役員任せにしてはいけません。ここではそのリスケ交渉に際して絶対にしてはいけないNG集をまとめました。これからリスケ交渉をする社長は参考にしてください。
銀行から提示された条件へその場で即答しない!
リスケ交渉をする際に、銀行側から様々な条件が提示されます。その際に絶対に先方が提示する条件をすぐに飲んではダメです。また基本的に即答するのではなく、「自社に戻って、経理と相談して一両日中に返答させていただきます」のような感じで考える時間を作るようにしましょう。
他のビジネス交渉なら社長自身がその場にいるということは、即断即決した方が良い場合が多いですが、銀行とのリスケ交渉の場合は、思わぬ言質を取られてしまう可能性がありますので即答は絶対に避けましょう。そして、自社に戻って、「資金の出」が少ない条件を検討して、後日返答するようにしましょう。
但し、だからといって1週間も2週間も時間をかけてはダメです。これは単純に問題の先送りをしているだけになりますし、実際に資金繰りがどんどん厳しくなるだけですので。
交渉前に銀行口座に預金を残さない!
これは前回の【リスケ交渉の予備知識】延滞時の預金ロックを避ける方法!でも記載しましたが、銀行側はリスケ交渉をされることを嫌っています。余計な業務が増えるだけですので。そして、貸したお金を回収できなくなり、最悪の場合、貸倒引当金として計上することを一番嫌がっています。ですので、銀行口座の預金ロックをして資金を確保しようとしてくることも考えられます。(但し、これは通常3か月以上の返済が滞ったような場合)
いずれにしても、資金を口座に残しておくということは「銀行側に人質をいつでも取られてしまう」可能性を残してしまっているということです。これは逆の立場だと当然のことです。もし、お金を貸した相手からの返済が危ぶまれる状況で、自分の口座に相手の資金が残っていれば、こちらとしてはその相手の資金を引き出させないようにするでしょう。
リスケは緊急時の対応策です。一刻も早く銀行口座の預金を引き出して、別の銀行口座または自社の金庫等に移すようにしましょう。
他行との比較はしない!
複数の銀行へリスケ交渉を行う場合、すべての銀行が会社側が提示するリスケ条件にすんなり合意してくれることはまずありませんので、各銀行との調整をしなくてはいけないわけですが、リスケ条件になかなか合意してくれない銀行に対してついつい感情的になって「他の銀行は合意してくれた」というようなことを言ってしまいそうですが、これは全くプラスになりません。
銀行側からすれば、追加担保の提供もなく金利の見直しもせず元本の減額を要求されて、その上、他行についての話を持ち出されたらどう思うでしょうか?実際に他行はリスケ条件い合意したとしても、そのことは伝える必要はありません。
ウソついてたら早めにお詫びする!
中小企業の決算書の多くは粉飾しています。粉飾というのは言葉がきついですが、例えば外注費を翌期に回して、できるだけ費用を下げて、ギリギリの黒字決算にするように調整することはザラです。
この行為の善悪は本題ではないので、ここでは論じませんが、銀行もバカではありませんので、世の中の多くの中小企業がそのような調整をして黒字決算して、銀行融資を受けようとしているというのは当然わかっています。ですのでリスケ交渉を行う際は、銀行側へのリスケが必要な説明ロジックを組み立てるためにも、言葉を選びつつ説明できるようにしておきましょう。
また、複数の銀行とのリスケ交渉をする必要があるものの、元々融資を受けるために、それぞれの銀行に対して別々の決算書を提出してしまっていたようなケースの場合はどうでしょう?(考えられないかもしれませんが、結構多くの中小企業は行っています)
この場合は、最初にお詫びして本当のことを話してしまった方が良いです。どうせバレてしまうのですから。最悪なのがそのままの状況で、複数の銀行が顔合わせして自社でバンクミーティングという形を取られてしまうことです。そうすると、すべてのウソが全行の前で発覚してしまい、リスケはもとより、将来的に資金繰りが改善したときにも融資されなくなってしまう可能性が高まります。
なので、リスケ交渉という緊急時には、潔くお詫びして本当のことを話す方べきです。
以上、銀行とのリスケ交渉を行う時の4つのNG集でした。
【併せて読みたい記事】
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リスケ交渉前に絶対に知っておくべき銀行側の2つの本音とは!?
【資金繰りが改善できる!】リスケ交渉時の3つの交渉ステップとは?
尚、リスケをすることは「資金の出」をとめるということですが、500万円から1000万円程度の資金確保さえできれば資金繰りが改善できるようなら「入りのお金を増やす」ことも別の方法の一つです。その場合、スピーディに資金調達できるビジネスローンで一時的に資金手当てすることも検討しましょう。
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事業者向けローンの最大手・AGビジネスサポートの特徴
AGビジネスサポートへの融資申し込みと返済方式
尚、以下のような事業者の方で、どうしても資金調達が必要な方はビジネスローンと平行してファクタリング(売掛金の早期売却)の利用をおすすめします。
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