資金繰り表は会社の資金の出と入りをチェックするために必ず必要な管理表のことです。基本的には月単位で入金と出金の予定日を入力しておいて、会社にいつ資金が入り、いつ支払う必要があるのかを把握することができます。当記事では、この資金繰り表を活用して、うまく銀行と融資交渉するためのテクニックを書いていますので、これから銀行と融資交渉をする予定の経営者の方は参考にしてください。尚、小規模事業者や個人事業主にとって使い勝手が良い資金繰り表は下記ページにまとめましたので、ご活用ください。
目次
資金繰り表には銀行が知りたい情報が満載!うまく活用すれば融資による資金調達の可能性を上げられる!
実は小規模事業者や個人事業主で資金繰り表で資金管理をちゃんとしているところは驚くほど少ないです。しかしながら、銀行融資を受けて資金調達をしたいならば、この資金繰り表は絶対に必要です。というのも、資金繰り表には銀行内部で稟議書を上げる際に必要な項目の多くが入っているからです。
資金繰り表を提出することで、主に以下の4つの点をアピールすることができます。
■資金使途について(何に使うのかがわかる)
■他行の動向について(他の銀行の状況がわかる)
■返済原資について(どうやって返済するのかがわかる)
■今期の計画について(今後どのように企業がよくなるかがわかる)
これらは、銀行が融資審査の際に、最も知りたいことです。このような資金繰り表を持参して経営者が融資の申し込みに来たら、銀行担当者としてもそのまま稟議書に添付するだけでよく非常に手間がかからないので、まずは受領してもらえる可能性が非常に高まります。銀行員としても毎月の融資ノルマがあるわけですので、手間がかからないことは非常に助かるわけです。
資金繰り表の中身について理解しておく
上述のように銀行からの融資申込の際は、資金繰り表は絶対に必要です。「今まで資金繰り表なんて作ったことがないよ」という経営者の方も、決して難しいものではないので、知っておくべきポイントを押さえて、銀行への融資申請の際は、資金繰り表を持参して説明するようにしましょう。
資金繰り表を構成している3つのポイント「損益」「キャッシュの動き」「バランスシート」を理解する
資金繰り表をあまり見慣れていない方にとっては、一見すると難しく感じますが、「損益」「キャッシュの動き」「バランスシート」をそれぞれ見ていけば決して難しいものではありません。わかりやすいサンプルとして、経理プラス 資金繰り表 をダウンロードして参考にしてみましょう。
■損益
一番上が企業の事業活動における損益の部分となります。いわゆる損益計算書(P/L)をざっくりと記載している個所となります。「売上」「売上原価」と「売上-売上原価=売上総利益(いわゆる粗利)」が記載されています。
■キャッシュの動き
ここがキャッシュの動きです。いわゆる資金繰りの個所です。営業面での資金の動きとしては、「月初の現預金残高」があり、そこに「売上現金」が入り「仕入現金」や「販売管理費」となります。
営業面でのキャッシュの動き
現金収支=売上現金 – (仕入現金+販売管理費+支払利息)
銀行への返済がある場合は以下の通りとなります。
差引過不足=現金収支-銀行返済
■バランスシート
ここは決算書の貸借対照表(B/S)の部分です。最上段が月末時点での現預金となります。
月末現預金残高=月初現預金+差引過不足+現金借入金調達額
月末現金残高がマイナスになるということは、月末に資金繰りがショートすることを意味します。そのため、当たり前ですが、経営者は月末現預金残高がマイナスにならないように、資金調達計画を作っておく必要があります。
以上、「資金繰り表の3つのポイントを理解して銀行へ融資申請をしよう!」でした。