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倒産する会社の資金繰りって?資金調達のタイミングの重要性を認識せよ!

経営者の悩み

「明後日が給料日なんだけど、なんとか300万円用意しないといけないので資金調達したい」

「来週、取引先への買掛金の支払いで500万円必要なんだよ」

多くの中小企業経営者はぎりぎりになって資金調達に動き始める場合が多いです。残念ながら数日程度で銀行や政府系金融機関に融資の申請を行って、融資を実行してくれることはありません。大抵は3週間から1か月程度かかってしまいます。ましてや、新規取引の場合等はそれ以上に長い時間がかかるでしょう。金利が高いノンバンク系でも最低でも10日程度はかかります。さらに資金繰りが厳しくなっている中小企業の場合、財務的に健全なことが少ないため、そもそも審査が通らない場合も少なくありません。

数日後や1週間以内に資金調達しなければいけないような状況の場合、人的なつながりをたどって知人や親せきからの借り入れ、もしくは、経営者自身のキャッシングカードや消費者金融等からの借り入れ位しか資金調達の手段はありません。ただ、気軽にキャッシングカードを使ってATMで調達して「その癖」が付いてしまうと、恐ろしい結果になってしまう場合も少なくありません。

キャッシングカードのリボ払いは、毎月金利を含めた一定額を支払こととなり、一見支払が楽になるように錯覚しますが、実際には支払っている金額の中の殆どが金利分となってしまい、元本がほぼ永遠と減っていかないような状況になります。所謂「借金の奴隷」のような状態が続きます。そして、最終的に支払できずに自己破産をするケースも近年非常に増えています。

とはいえ、友人や親せきに急に頼んだところで、数百万円~という金額になると、個人でもすぐに融通がつかない場合もあり、複数人に協力してもらわないといけない場合もあります。また「お金の威力は時として人間関係を崩壊させるパワー」があることはくれぐれも認識して、絶対に返済できる時しか資金調達の相談を友人や親せきにするべきではありません。

このような事態に陥る会社は、普段からカツカツの現預金しかないため、資金繰り管理ができていません。また、できるだけ借金はしたくないという経営者も多いのですが、会社は現金がないと資金繰りができなくなり各方面の取引先への支払いができなくなり倒産する危機に陥ります。また、取引先に対して支払が遅れるということは、限りなくレッドカードに近い状況です。仮に今までは月末締めの翌月末支払等の掛け売りをしていた取引先も、次回以降の取引からは前金での支払いを求めてくる可能性も高いです。

逆に、どんなに財務的に厳しくても、現金さえあれば会社は回っていきます。そのことは経営者はよく認識しておくことが重要です。

どちらの会社が安全なのか?

次の会社A社とB社では、どちらが安全と言えるでしょうか?

A社もB社も年商2億4000万円(月商約2000万円)の場合

現金 借入金 実質借入金
A社 10万円 2010万円 2000万円
B社 3010万円 5010万円 2000万円

A社の状態から、借入金を3000万円増やしたらB社の状態になります。借入金から現金を差し引いた実質借入金はどちらの企業も同じです。

A社の経営者は「借金」が嫌いで、なんとか無借金経営を続けています。ただ、今後少しでも入金よりも支払の方が多い月があったら途端に資金繰りが回らなくなり非常に危険な状況です。

他方、B社は借入金は多いものの、月商2000万円の1.5倍以上の現金を保有しており、少しのことでは資金が枯渇することはなさそうです。

A社とB社、どちらの方が資金繰りが安全かはだれの目にも明らかですが、実際の中小企業ではA社のような危険な資金繰りで回している経営者は非常に多いものです。

そして、A社のような資金繰り状態で、新規で銀行に融資を申し込んだ場合、すんなり融資が行われればよいのですが、もし審査に落ちるようなことがあれば、いつ資金繰りが回らなくなってもおかしくありません。

一度融資を受けてしまえば、返済金額は少しずつなので、事業に集中して取り組み、事業収益から融資返済をしていけることになりますが、あらたに融資を受けるには非常に多くの時間と労力が必要になります。それらの時間と労力は本来ならば本業の営業活動等に使うべきものです。

借入金がいくら多くても会社は倒産しませんが、現金がなくなると会社は継続できずに倒産します。資金繰りに関しては普段余裕のある時から常に考えておくことが非常に大事です。

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税理士 鈴木康支(税理士登録番号第55764号)

鈴木康支税理士事務所所長
学習院大学卒博士(サンフランシスコ州立大学)孔子経営賞 受賞(26年度)
各種講演・セミナー多数

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