やっとの思いで資金調達できたのに・・
資金調達を行うには資料等を作成するための多大な時間と労力を使います。また必要な資料等を提出したからといって、必ず融資が行われるという保証はどこにもありません。
その為、資金調達できた資金は特に大事に本業のために使っていきたいものなのですが、意外に多くの経営者が本業以外のことに使ってしまったり、最悪な場合は、知人経営者等のためにその資金を貸してしまったりするケースも少なくありません。
もちろん、新規事業を始めるために資金が必要な場合もあるとは思いますが、もし銀行に「新規事業のための資金として融資してほしい」と説明しても、融資実行の実績が少ない企業に対してはなかなか融資をしてくれないものですので、本業の事業計画のために調達した資金を新規事業に充てたいのでしょう。
新規事業を始める為の資金は内部留保から!
新規事業を始めるため資金については以下のいずれかを基本とします。
1.本業で儲けた利益を内部留保している分を新規事業に充てる
2.経営者個人が役員報酬等で今まで貯めてきた中から投資資金を出す
3.新事業投資のための融資を受けたい旨を、政府系金融機関に相談する
上記の方法のいずれかならば問題ありませんが、本業の運転資金、設備資金のためにやっと調達できた大事な融資金を新事業に回してしまっては本業に大きな支障が出てしまう可能性がありますし、将来的に銀行に対して再度融資の相談をする際に、当初説明していた事業収支計画や資金繰りとの整合性が無くなり、「あまり信用できない経営者」という風に印象を持たれてしまう可能も高まります。
調達した資金が別の目的に使われてしまうケースと注意点
本業とは別の目的に使われてしまっているよくあるケースと注意点は以下の通りです。
実際の使い道 | 注意点 | |
① | 知人社長等に頼まれて貸してしまう | 自社が厳しい状況で他人に貸す余裕は無い |
② | 個人の生活費や遊興費に使ってしまう | 会社の資金と経営者個人の資金は別。必要なら経営者個人でキャッシングなりするべき |
③ | 関係会社等への貸付や出資に充てる | 関係会社で融資を受けるべき |
④ | 詐欺にあってしまう | とにかく気を付ける |
⑤ | 知人からの借金返済に充てる | 本業の事業収益から返済すべき。 |
⑥ | 社員による横領 | 横領できないような組織の仕組みを構築する。また経営者自身でチェックも行う |
⑦ | 別の借入金の返済に充てる | ⑤と同じ |