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会社は資本金1円で作れるが、実際はそれでは運営していくことは無理!
サラリーマンを辞めて独立しようと考えている方は、最初にいくらくらい自己資金を用意する必要があるのでしょうか?現在は資本金1円でも株式会社を作ることができますが、現実的には自己資金1円では会社を運営していくことはできません。法人登記費用だけで全て自分で行ったとしても最低15万円程度かかります。ちなみに、独立開業するための資金調達方法には以下のような方法があり、1から5までの順番で進めます。
- 自己資金を貯める
- 助成金や補助金の申請をする
- 銀行などの金融機関から融資を受ける
- 身内や友人などから借りる(出資)
- その他からの出資を募る
独立するときの自己資金は多ければ多いほど良い!
自己資金とは融資のように借りた資金ではなく、文字通り「自己の資金」ですので返済する必要がありません。自己資金には、給料を今まで貯めてきた預金はもちろん、身内や友人からの出資、ベンチャーキャピタルからの出資、公的機関からの助成金や補助金等を含みます。自己資金が少ない場合、ビジネスとしてのスケール規模が出るのに時間がかかる場合が多いです。また、どんな崇高な理念のもとに起業しても、資金がなくなったらおしまいとなってしまいます。また、資金が多ければ、少しぐらいの失敗をしてもリカバリーができます(独立当初は経験が浅いこともあり、様々な失敗はつきものです)。あまりにもギリギリの資金繰りだと、一度の失敗でゲームオーバーになってしまいます。
なので、独立をする際には、できるだけ自己資金は多く確保しましょう。
「出資」について理解をする!
個人事業の方には「出資」という概念がありません。出資とは、株式会社を作って起業する場合に株式を第三者に付与して、その第三者から資金調達する方法です。なので、上述の資金調達法の中で、「出資を募る」というのは、「お金を借りる(融資を受ける)」ことではありませんので、返済義務は不要です。その代わり、株式を受け取った第三者は、株主として経営に口を出す権利を有することとなります。
ちなみに、創業間もない企業に出資するベンチャーキャピタルですが、100社のアプローチがあっても、よくて1社に出資するかしないかの確率ですので、起業すぐで、なんの実績もない会社への出資は100%期待しない方が良いでしょう。また、身内や友人なら出資といっても問題は無いと考えてしまいますが、もしも、あなたの会社が将来的にとてつもなく大きなビジネスに大化けしたような場合、その段階で、株式の買取を要求しても、彼らから「まだ手放したくない」と言われたり、「1億円なら譲渡してもいいよ」と言われたり、様々なトラブルに発展する可能性もあります。
POINT
- 「融資」と「出資」の違いについて理解をする!
- 融資の場合、元金+利息をちゃんと支払えば、経営のやり方にとやかく言われるリスクは無し!
- 出資の場合、返済義務は一切なし!でも、経営に口を出されて、思うように事業を行えないかも!
資金調達の正しい順番とは?
起業する際の資金調達の順番は以下の通りをお勧めします。
- まずは起業する際にどのくらいの自己資金を用意できるかを計算する。
- 公的機関の助成金や補助金で、創業時にもらえそうなものはないかチェックする。
- もしこの段階で開業資金が不足しているようなら、銀行などから融資で補えないか検討する。
- それでも足りないようなら、身内や友人に出資してもらえないか検討する。
融資の前に助成金や補助金を一番最初に検討する!
助成金や補助金は返済しなくてよい「もらえる資金」だからです。創業時の補助金等はいろいろありますので、是非こちらでチェックしてみてください。
補助金・助成金の検索
尚、創業時の補助金は申請が受け付けられたからといって、すぐに入金されるわけではありません。まずは補助事業にかかる経費の支払いを済ませた後に、その支払った経費が補助金受給の条件に当てはまっているかどうかの審査が行われ、確認が取れた段階で初めて入金されます。
なので、場合によっては入金までに1年程度かかることも少なくありません。その点は十分理解してから資金繰りを計画しましょう。
次に融資を検討する!
人によっては、融資を受ける前に、身内や友人等の知り合いに出資を頼んだ方が気が楽だと考える人もいるでしょう。でもちょっと待ってください。上述の通り出資というのは融資のように返済義務はありませんが、一度株式を渡してしまうと、あとから経営方針でもめることも考えられます。特に事業がうまく軌道に乗って拡大していくような場合にトラブルが多くなりがちです。
何よりも、今まで折角築いてきた人間関係がお金のことで崩れてしまうリスクがありますので、起業する自分だけで融資を受けてリスクをとった方が良いでしょう。
尚、起業してから3年以内に約50%の会社が市場から撤退を余儀なくされているといわれています。起業するときには考えたくはないですが、困ったときの奥の手として最後に手を差し伸べてくれるのは身内や友人などの私的なつながりなので、そのためにも最初の段階では身内や友人への出資の相談はできる限り避けるようにしましょう。
融資を受けるために最初の開業資金はどのくらいが必要なのか?
創業間もない企業が融資を受ける際に「どれだけ自己資金を用意したかで、あなたの会社の財務的な安全性を判断」されますので、ズバリ「多ければ多いほど良い」です。ちなみに、日本政策金融公庫の新創業融資の場合、自己資金の9倍が融資の限度額となっています。制度融資を受ける場合は、地方自治体によって異なりますが、一般的には無担保無保証制度を利用する場合には、自己資金と同額までしか借りることはできません。
なので、貸す側である金融機関にとっては、あなたがどれだけ自己資金を準備しているかで、どれほど本気なのかを判断します。結局は「開業資金の半分以上は自己資金が確保できていないような起業家では、事業の成功等望めない」ということです。
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