融資を申し込みたいと思い立っても、初心者の場合「なにから始めればいいの?」と困ることもしばしば。
いざそのときにならないと気づけないことも多くあります。
行き当たりばったりではなく、まず「融資を受けるときにどんな書類が必要か?」や「全体の流れは?(タイムスケジュール)」「融資を受けるまでの目安期間」などを予習しておきましょう。
起業時はなにかと忙しく、融資だけに時間をかけられませんので、あらかじめ予習しておくことで、よりスムースに審査を受けることができ、最短で借入をすることができます。
目次
予習必須!融資の審査中、担当者が事務所に来ることも
融資は「借入申込書」を記入することからスタートします。
この借入申込書をもとに、金融機関の審査がスタートするのです。
審査中は、必要であれば追加書類を求められることも。
追加書類とは、たとえば、
- 自己資金として記入した金額の出処を確かめるために、あなた個人の貯金通帳の提示を求められる
- 活動場所として記入した事務所や店舗の実態を確認するために、賃貸契約書の写しを請求される
などです。
必要であれば、事務所や店舗に担当者が出向き調査することも。
他にも、購入を予定している資産の見積書や売上見込みを確認するための書類(見込み客から届いている発注書)など。
あなたが作成した創業事業計画書や借入申込書を裏付けるありとあらゆる書類の提出が求められるのです。
また、あなたの人となりを確認するために、社長面接が行われます。
融資担当者と面談しながら、事業計画や融資目的などについてヒアリングを受けるのです。
これまでに紹介した「借入申込書」「追加資料」「創業事業計画書」「面談」などを経て、
- 融資しても良い相手か?
- 希望額を全額貸し出せるか?
- 保証人や担保を追加請求するべきか?
- 何年間で返済できそうか?
- 金利はいくらにするべきか?
などが総合的に判断され、融資の可否と条件を決定するのです。
融資を受けるまでの【全体の流れ】
融資を受けるまでの流れは、公庫融資も銀行融資も大きな差はありません。
ただ地方自治体などの制度融資は、信用保証協会の審査や申込みがプラスされます。
融資を受けるまでの全体の流れは、下記の通りです。
- 金融機関に口座を開設する
- 金融機関の支店窓口で融資の相談をする
- 借入申込書に必要書類を添付して、金融機関に提出する ※必要なら追加書類を提出
- 金融機関の担当者から面談を受ける(社長面接)」※申込みから1週間後くらい
- 金融機関の審査が行われる」※約1~2週間
- 融資金額や条件が決定され、融資の可否通知が届く
- (審査に通れば)金融消費貸借契約書を金融機関に提出する
- 融資金額があなたの口座に振り込まれる
融資は、最短で申込みから約2~3週間で完了します。
追加資料の提出に手間どったり、審査に時間を要すると1ヶ月以上待つこともあるでしょう。
起業時の初期融資を申し込むなら、はじめに揃えるべき器具や資材もあるはずです。
その購入時期は、審査が長引くことも考慮して余裕を持ったスケジュールが必須です。
最初に知っておきたい融資を受けるときの「やることリスト」と「必要書類」
融資を受けるときの「必要書類」や「やるべきこと」を事前に知っておけば、よりスムーズに審査が進みます。
事務作業はできるだけ不備なく済ませ、なるべき早く融資を完了させましょう。
時系列で「やることリスト」や「必要書類」を紹介していきます。
「会社の口座」を開設してから融資相談に行こう!
融資相談に行く前に、会社の口座を開設する必要があります。
会社の口座開設は、個人口座の開設とだいたい同じです。
これらを持参して銀行の窓口で申し込んでください。
担当者から、会社の事業内容やその支店を選んだ理由、代表者の経歴などを簡単にヒアリングされます。
選ぶ銀行支店は、本店所在地またはあなたの活動本拠地の最寄り支店を選んでください。
会計事務所や顧問税理士などで銀行を紹介してもらった場合は、紹介先の支店でもOKです。
地方自治体の制度融資を受ける場合は、各自治体に窓口があるので問い合わせてください。
ちなみに、東京の場合は「創業アシストプラザ」に電話して予約を取り相談に行きます。
窓口では、中小企業診断士などの専門家が相談に乗ってくれますので、会社の登記事項証明書を持参して、すでに会社が用意できていて実際に資金が必要である相談であることをアピールすること。
創業企画書や売上計画書を持参して、ビジネスプランについて専門家のアドバイスを求めることも良いでしょう。
借入申込書を記入。必要書類を添付して提出しよう!
借入申込書は、各支店の窓口で貰うか公式サイトからダウンロードしてください。
このときの必要書類は、借入の種類や金融機関によって異なるため窓口で確認が必要です。
一般的には、
- 登記事項全部証明書
- 創業計画書
- 前年度の収入がわかる書類
などの添付が必要です。
社長面接を予約しよう!
申込みから1週間後くらいに、金融機関から社長面接についての日程連絡があります。
面接では、創業企画書をもとに資金の使い道などについて質問されますので、詰まらず答えられるよう準備しておきましょう。
この面談は、あなたの事業についてヒアリングする場であり、あなたの人となりを見る場でもあります。
緊張しすぎずリラックスして臨みましょう。
融資の審査結果を待とう!
面接後に、金融機関内部で審査が行われます。
この審査は、通常なら1~2週間後に融資の可否や融資金額が通知されます。
2週間経っても連絡がないときは、審査が遅れているのかもしれません。
こちらから連絡して進捗状況を確かめましょう。
本契約を交わす
融資が決まれば、本契約として「金銭消費借貸契約書」などの契約書を記入します。
契約書と一緒に印鑑証明書などの必要書類を添付して、金融機関に提出してください。
口座を確認
手続きが全て完了すると、口座に融資金額が振り込まれます。
地方自治体の制度融資の場合、信用保証協会の審査がプラスされる!
制度融資の場合、これまでに紹介した流れに「信用保証協会の審査や申込み」がプラスされます。
融資が妥当だと判断されれば、銀行に対して信用保証書が発行され、銀行はその保証書に基づいて融資を実行します。(信用保証協会への信用保証料は、銀行を通して支払います)
全体の流れは把握できたでしょうか?
把握できたら、事前準備できるものはまとめて用意しておきましょう。
そうすることで、よりスムーズに融資が受けられます。
1日でも早く融資を完了させ、あなたのビジネスをスタートさせてください!
融資までの全体の流れのポイントは?
POINT
- 融資を申し込む前に、会社の口座を作る
- 融資を受けるには、まず「借入申込書」を提出する
- 金融機関から追加書類の提出を求められることも!
- 書類をもとに社長面接が行われ、総合的に融資の可否が決定する
- 審査期間は、最短2~3週間。1ヶ月以上になることも!