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金融機関からの評価を高める為に税理士を上手く活用する8つのポイント

税理士を活用

金融機関からの評価は、決算書と金融機関に対する情報提供の量と質によって、ほとんど決まります。

「定量評価・定性評価・実態評価」のうち、金融機関が特に重要視しているのは「定量評価」であり、決算書の分析結果を基に、安全性・収益性・成長性・返済能力等を見ています。

金融機関と情報共有するにあたって、税理士と連携して資料作成できるかどうかが大きく評価に影響します。

まずは税理士を上手に活用する為に以下の8つのポイントをしっかりと理解しましょう。

【ポイント1】期限をしっかり守れる税理士と付き合う

期限を守ることのできない税理士は変更する事も検討しましょう。

顧問料が少々安くても、資料提出が遅れて融資の妨げとなっては意味がありません。

値段だけで選ばずに信頼のできる税理士を探しましょう。

【ポイント2】毎月の試算表を作成してもらう

税理士に試算表を毎翌月中には必ず作成してもらう事を徹底しましょう。

金融機関にいつでも提供できるように準備しておくと、企業の経理体制について評価が上がります。

また、評価に関わらず、翌月のできるだけ早いうちに試算表で経営状況を把握する事で、改善策も講じやすいです。

【ポイント3】経営計画や資金繰り表を一緒に作成

税理士に経営計画や資金繰り予定表を一緒に作成してもらいましょう。

金融機関に定期的に出向いて、予算と実績の報告、予算と実績の差異についてしっかりと口頭で説明をする事で信頼に繋がります。

理想は毎月、難しければ3カ月に1回くらいは、支店長とアポイントメントを取るようにしましょう。

【ポイント4】決算書や試算表は経営者自身で説明できなければダメ

決算書や試算表は常に経営者自身が説明できるようにしておきましょう。

税理士は決算書を見て、会社の財務状況を細かく分析して把握しています。

スペシャリストである税理士に何度も質問して、経営者としての会社の数字の見方と、金融機関への説明の仕方を学んでください。

金融機関は、融資資金の返済期間中に会社経営を維持し続ける事ができるかどうかの判断材料の一つに、決算書や試算表の数字から会社の問題点を見つけ、それに対する改善策を考える力が経営者に備わっているかを見ています。

【ポイント5】決算検討会を3か月前には実施しておく

税理士に要請して事前決算検討会は決算の3~4カ月前には実施してもらいましょう。

最終利益、納税額等、金融機関からの格付け評価がどのようになるかを前もって予測する事で、決算対策を行う事ができます。

財務格付けのランクが少しでも高まるようにしっかりとシュミレーションして下さい。

【ポイント6】税理士法の第33条の2の書面を決算書に添付してもらう

税理士に税理士法の第33条の2の書面を決算書に添付してもらいましょう。

書面添付することによって、決算書の品質保証の役割をしてくれるので信用力が格段に高まります。

同時に、税務調査に選ばれる可能性がとても低くなるので、本来の仕事に専念する事ができます。

【ポイント7】「中小会計指針」・「中小会計要領」に関するチェックリストを作成してもらう

税理士に「中小会計指針」・「中小会計要領」に関するチェックリストを作成してもらいましょう。

上記2つには計算書類作成の際の会計ルールが記載されています。

チェックリストに基づいて計算書類を作成すると、金融機関からの信頼が増し、融資の際に決算書などの資料と一緒にチェックリストを添付すると、金融機関から金利の優遇措置を享受できるといったメリットもあります。

「中小企業の会計に関する指針」とは?

「中小企業の会計に関する指針」とは、日本税理士連合会、日本公認会計士協会、日本商工会議所及び企業会計基準委員会の4団体によって、平成17年に公表された中小企業の会計処理等に関する指針です。

法務省、金融庁及び中小企業庁の協力のもと、中小企業が計算関係書類を作成するに当たって拠るべき指針を明確化するために作成したものです。

「中小企業の会計に関する基本要領」とは?

「中小企業の会計に関する基本要領」とは中小企業関係者等が主体で、中小企業庁、金融庁が事務局となり平成24年に公表されました。

非上場の中小企業でも簡単に利用できる会計のルールで、中小指針を採用している企業以外の中小企業を対象としています。

【ポイント8】「会計参与」を設置する

「会計参与」を設置しましょう。

会計参与を設置すると、決算書の正確性が向上し、会社に対する信頼性もあがりますし、金融機関からの融資などが受けやすくなる等のメリットがあります。

別途報酬を払う必要がありますが、税理士に就任してもらうのも一つの方法です。

「会計参与」とは?

会計参与とは、「会社法」によって主に中小企業の計算関係書類の信頼性を高めるために平成18年に施工された制度です。

全ての株式会社が定款において、任意に会計参与を設置する事ができますが、取締役会を設置しながら監査役を設置していない株式会社については、会計参与の設置が義務付けられています。

会計参与になれる人は、会計の専門家である公認会計士(監査法人を含む)、税理士(税理士法人を含む)のみと決められています。

会計参与の職務は、取締役や執行役と共同して計算関係書類を作成したり、また、作成した計算書類を会社とは別の所で5年間保管し会社の株主や債権者の求めに応じて開示、説明責任を果たしたりする事などです。

POINT

  1. 【ポイント1】期限をしっかり守れる税理士と付き合う
  2. 【ポイント2】毎月の試算表を作成してもらう
  3. 【ポイント3】経営計画や資金繰り表を一緒に作成
  4. 【ポイント4】決算書や試算表は経営者自身で説明できなければダメ
  5. 【ポイント5】決算検討会を3か月前には実施しておく
  6. 【ポイント6】税理士法の第33条の2の書面を決算書に添付してもらう
  7. 【ポイント7】「中小会計指針」・「中小会計要領」に関するチェックリストを作成してもらう
  8. 【ポイント8】「会計参与」を設置する

以上、金融機関からの評価を高める為に税理士を上手く活用する8つのポイント…でした。

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税理士 鈴木康支(税理士登録番号第55764号)

鈴木康支税理士事務所所長
学習院大学卒博士(サンフランシスコ州立大学)孔子経営賞 受賞(26年度)
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