私は独立して約1ヶ月で日本政策金融公庫から90万円の融資を受けました。
融資の審査は申請から3週間で、着金は審査通過の10日後でした。これだけ早く融資を受けることが出来た背景や方法についてご紹介いたします。
目次
政策金融公庫の融資について精神的ハードルが低かった
まず、私は独立する前に某企業の会社役員をしておりました。
その会社で創業時と創業から4年目の2度、日本政策金融公庫から融資を受けておりました。
当時私は経営者ではなく経理責任者でしたので、融資を直接申し込んだり面接を受けたりはしておりませんが、融資書類は全て作っておりました。
また、経営者からは日本政策金融公庫の融資について詳細を聞いていたので、日本政策金融公庫の審査がどういうものかを知ってもおりました。
更には返済がどのように行われるかも知っていたことなどから、日本政策金融公庫から融資を受けることに対して精神的ハードルは低く、結果、スピーディーに動けたことが、とても大きかったと思われます。
日本政策金融公庫の融資についての事前知識
私が会社役員をしていた際に知っていた日本政策金融公庫の情報についてご紹介します。
融資に対して基本的には協力的
政策金融公庫の担当者にもよるのかもしれませんが、基本的に政策金融公庫では、創業融資の申請者に対して融資が実行できるように協力するスタンスで対応をしてもらえます。
もちろん、甘く見てはいけませんが、創業に対して情熱を持っている人には協力を惜しまない、という国の創業支援の方針があるのでしょう。
私の場合は「決して相談に行った段階から無下に断れらたり、上から目線で詰められる、という対応はされない」という確信がありましたので、自信をもって申請を致しました。
融資までの流れはスピーディー
会社役員をしていた先に2度融資を受けていますが、いずれも融資の希望日を聴かれ、出来るだけその希望に沿うように対応頂きました。
融資までの流れは、申請をすると(インターネットで出来ます)数日後に連絡があり、面談の日程を改めて提示されます。
その後、2週間以内くらいで面接があります。そこで資料などチェックをしてもらい、最終の申し込みをします。
そして1ヶ月以内くらいには審査の結果の連絡があり、審査通過をすればその1ヶ月以内くらいには送金されます。私の場合、基本的に早く動いてもらえることを知っていたので、創業後はすぐに申請しました。
返済について
融資の返済については、毎月口座引き落としとなりますが順調に引き落としをされていれば、金融公庫から連絡が来ることはありません。
また銀行のように決算後に書類を提出する必要もありません。更に返済が半分終わると追加融資の申請もできます。
とにかく返済さえ滞らなければ、一切煩わしさがないのです。これはとても魅力的です。
実際の手続き【申込】
以上のような事前知識があったので、独立後はすぐに融資の申請の準備をしました。
一度、窓口に行って申込書類を頂きましたが、その後、インターネットでも申し込めることが分かったので、インターネットで申し込みをしました。
インターネットでは申込書類に記載する事項を入力して申し込むので、別途申込書類を送る必要はありません。
これがとても楽です。インターネットで申し込むとメールと電話で連絡がありました。まずは創業計画書と見積書を作成して提出するように指示をされました。
実際の手続き【創業計画書と見積書の作成と提出】
創業計画書は公庫のフォームがあり、A4見開き2ページ(A3)のシンプルな書類です。
そこに創業の動機、経営者の略歴、取扱商品・サービス、取引先、従業員、借り入れの状況、必要な資金と調達方法、事業の見通しを簡潔に記載します。
ポイントとなるのが事業の見通しで、売上、売上原価、経費、利益を創業当初と1年後に記載する必要があります。ここに記載した経費関係について、見積書が必要となります。
この部分は細かく計算方法が決められているので、一度自分で作ってみたうえで公庫の窓口に行ってチャックをしてもらうことをお薦め致します。
私の場合はチェックをしてもらったところ、計算方法が間違っていたり、見積もりが不十分なものがありました。
審査をスムーズに通過するためには、この点がとても重要なので、窓口に相談に行かれることをぜひお薦めします。そして、書類が揃ったら公庫に送付します。
実際の手続き【面接】
公庫に書類が届くと、公庫より、面談の日程を改めて連絡する旨の連絡があります。私の場合は5日後には面談となりました。
その際に持参する資料は、事業に関する資料の他に、通帳のコピーが必要になります。
実はこれがとても重要です。
面談に行くまでは、会社役員のときの経験から事業の可能性や事業計画の具体性について細かく聞かれるだろうと準備をしていましたが、実際の面談の際は通帳のコピーをしっかり見られまして、生活費にどのくらいお金がかかっているかを一番チェックされました。
個人事業主の場合は生活費が細かくみられるようです。
創業計画書に個人事業主の給与は含めないので、事業計画の利益と生活費のバランスが取れていないと返済原資が捻出できないことになります。
よって利益計画から生活費を引いた残りが返済額に達しているか、という点が最大のポイントでした。
私の場合は、そこが甘かったために、別途定期預金などの残高のコピーを提出するように言われました。つまりは担保のようなものですね。
ただ、金額も低かったせいかその点さえクリアできれば、審査は恐らく大丈夫であろう、とのことでした。
実際の手続き【審査通過の契約と着金】
面接から約2週間後に審査通過の連絡がありました。
審査を通過すると、契約書類が送られてきます。これを記載して送り返すと、書類が届いた旨の連絡があり、10日後に融資が実行されました。
申込から約1ヶ月で融資が実行されたポイント
私の場合は申し込みから融資実行まで約1ヶ月でしたが、とてもスムーズでした。
融資担当の方のお話ですと、時期的に審査が多い時期で、審査も融資実行も少し時間がかかったそうです。それでも約1ヶ月でしたので早かったと思います。これだけ早く対応できた理由について改めて、ポイントを整理します。
インターネットでの申込
申込は窓口に行かずにインターネットで申し込むことをお薦めします。
窓口に行っても書類をもらってそれを記入して更に窓口に持っていく、あるいは、郵送するなどの対応が必要ですので、1週間近くは要することになります。
その点、インターネットは30分もあれば申し込みが完了します。この違いはとても大きいので、急がれる方はインターネットをお薦めします。
創業計画書と見積書は事前に窓口でチェックしてもらう
先にも書いておりますが、創業計画書と見積書は細かな規定のようなものがありますので、ノーチェックで提出せず、一度窓口で見てもらった方が手続きはスムーズに進むと思われます。
利益計画は生活費なども考慮する
私の場合は成功例ではありませんが、個人事業主の方は面談の際に事業の利益計画は生活費よりも多くなるように、さらには返済額分の利益を確保することがポイントになりますので、そこを意識して事業計画を立てられることをお薦めします。
法人の場合は損益計算書に給与と経費は記載されますので、経常利益で融資返済額が捻出できるような計画が必要となります。
以上、独立して約1ヶ月で日本政策金融公庫から90万円の資金調達をした私の経験…でした。