恐らく自分は大丈夫だよという経営者の方に限って、資金繰りに奔走している時には、思わぬ詐欺に引っかかる可能性があります。
今回は、「自分は大丈夫」と考えている方に読んでいただきた記事です。
資金調達だけに意識が集中していると、思わぬ詐欺に引っかかることも!
ウソのようですが、本当に起こっている事例としては、メールやFAXで会社宛に「●●社の●●社長様へ 融資が可能です」というような内容のDMが正式文書のようなフォーマットで送られてきます。
資金が潤沢な時ならばそんなDMには引っかからないはずなのに、資金繰りが厳しい状況で、社員給与、取引先の支払い遅延だけは何が何でも避けたい社長にとっては、本当に喉から手が出る程欲しい資金ですので、そのDMの指示通り、融資を受けたい旨の返答をすることとなります。
すると、すぐに電話がかかってきて、至極ビジネスライクな紳士的な口調で、手短に自社の紹介をした上で、
「融資をさせていただく上で、●●社様の信用状況を確認させていただくために50万円を●●銀行●●支店の●●口座に、本日の15時までにお振込みください。」
というような指示をされます。
ここを読んでいる方にとっては、「こんなの絶対詐欺でしょ?」という風に感じるでしょうが、実際に明後日までに例えばまとまった資金として1000万円が必要な社長にとっては、まだ融資していない電話口の相手に対して、(無意識にですが)すでに感謝する気持ちまで感じてしまっていたりします。
そして、指示通り50万円を指定口座に振り込むと、
「次に保証会社●●の手続きが必要なので、保証会社●●が御社の信用状況を確認するために100万円を振り込む必要があります。」
というような指示が立て続けに来ます。
人間は差し迫った状況で、即決の判断を求められると、冷静になれないことが多々あります。
今回も上記の詐欺は、このように文章にすると、「なんで引っかかるの?」と誰しも思いますが、詐欺をする側からすると、最初に50万円を振り込んでくるような社長の場合、冷静ではなく、矢継ぎ早にプッシュすれば次も必ず振り込んでくるだろうと読んできます。
そのような流れを繰り返して、実際に数百万を振込んでしまい、相手に逃げられたというケースが発生しています。
また、世の中にはニュースにもなっていませんが、大変残念なことに、中小企業では頻繁にこのようなことが起きてしまっています。
くれぐれも資金繰りが厳しいからと言って、甘い罠に引っかからないように気を付けましょう。
以上、資金調達する予定が逆に詐欺によって資金を失う危険性について…でした。