私は、とある特殊法人で事務職として働いていました。
その特殊法人は、業界では大きな団体で、天下りの役人さんも全国で数十人ぐらい働いていました。
もともと私はその団体から仕事を請け負っている小さな民間会社で約10年働いており、その団体に机がありましたが、解散が発表される一年前に引き抜きされ、特殊法人の職員となりました。
そのときは、不景気真っ只中だったので、職員になれて安心しました。民間時代より年収も上がり、退職金手当も長く勤めれば厚い保証があったからです。
しかし、入社してわずか一年で突然解散の発表がありました。
絶対に潰れることはないといわれた団体でしたので、本当に驚愕しました。
しかも、解散までのスケジュールは、職員に知らされることなく、全て一般紙の一面記事で知ることになりました。
特に腹立たしかったのは、元官僚の役員達が、就職の斡旋をすることもなく、職員は、自力で就活を強いられたことです。
時は、リーマンショックの翌年、求人が少なく、派遣切りが話題になっていた頃です。
就活は難航を極めました。
元官僚達は、また違う天下り先に待遇が落ちることもなく、渡っていきました。その時のことは、今、思い出しても腹立たしいです。